1780.鏡返しのポイント

真我日記

写真は鶏のハーブ焼き野菜乗せです。暑い夏にさっぱりいただきました。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

佐藤康行(YS)メソッドをお伝えします。

佐藤先生:
簡単に言うとね、医者に行くでしょう? 「おなかが痛いんです」と。
医者が急に、「おなかが痛いのはこうだ」って講義を始めたら、
全然分かってくれてないってなるでしょ。
「この辺ですか? この辺ですか?」って触ってもらうと、分かってくれようとしてるって感じだね。
「ええ。この辺なんです」「ああ、そうか。その辺ですか」。こういう感じ。
ちょっと安心するでしょう?
「あ、この変だね。分かった、この辺だね」とかってやると、
分かってくれようとしてるって、安心しないですか?
全然何も見ようとしないで、「今までの長年の経験では」とか、
「そういう顔して来る人は、こういうタイプだ」とかって言われたら、腹立つでしょう?
ましてや裁かれたら最悪だよね。
「私生活がどうだ、何がどうだ」なんて言われたら、だんだん、だんだん腹立ってくるでしょ?
だから、まずそこを見てあげること、触ってあげる。
そこにちゃんと的確にやってあげることです。

ケース1

研修生:
相談して、返してくれる言葉自体は僕が言った言葉だったので、
相手の言葉を使うことが大事だと思いました。

佐藤先生:
そうね。名前を呼んであげるともっといいです。
「今何々さんがおっしゃったのは、こういうことなんですね」と。
そうしたら、「ああ」と。
自分が言ったことを、「何々さんが言ったこと」となるから、それでだいぶん違うと思います。

ケース2

研修生:
そのままオウム返しをして、そのあと、心を読んで返してくれると伝わります。

佐藤先生:
そういうことです。
言葉というのは、心の一部が出てきています。
心の一部が出てきたということは、その一つの言葉の奥に心がつながってるんです。
ズルズルーっと心が出てくる。
だから、できたら心まで分かってあげれたらいいわけです。
「ここが痛い」ときに、奥の内臓まで分かってあげれたら。
「それは、肝臓のこの部分なのかもしれませんね」と言ってあげたら。
でも、むしろその時には、断定的に言われるよりも、
「そういうことかもしれませんね」と言ってあげたほうが、むしろ安心するんです。

ケース3

研修生:
今まで本音を出せる人がいなかったけど、
世界でこの人しか分かってくれないんじゃないかと思いました。
本音を出せて、「この人は信じられる」という感情になりました。

佐藤先生:
そうね。今まで本音を出せる人がいなかった。
なぜだか分かります?
なんで本音を出したくなるか。

研修生:
人からよく見られたいと思ってたんでしょうかね。

佐藤先生:
よく見られたい。
でも、本音を出すと、よく見られない。
だから、本音を出せない。

研修生:
人に相談しても、自分の恥をさらすだけという気持ちがあったと思います。
やっと本音を話せる人に、オウム返しされたことによって 巡り会えたという感じで。

佐藤先生:
それはどこだと思います?
今、「世界でこの人しか分かってくれないんじゃないかなと思えた」と言ったでしょ?
それは、どこがポイントだと思います?

研修生:
私の悩みをそのまんま答えてくださったので、分かっていただけたと。

佐藤先生:
そのまんま受け止めて、そのまんま返してくれたから?

研修生:
そうです。だから、すごく分かっていただけたなと心から思って、涙が出てきました。

佐藤先生:
これだけですよ。そのまんま受けて、そのまんま返すだけで、「分かってくれた」と。
「その人しか世界中にいない。私を理解してくれる人はいない」とまで言わせてくれたんですよ。
だって、正確に聞いてればいいだけの話なんです。
もっと言うなら、ここで邪魔になるのはキャリアなんです。
キャリアっていうのは、いろんなことを勉強してきたり、
いろんな人生を生きてきたら、必ず自分の考えが出てくる。
それが邪魔なんです。
だから、全然人生経験がなくていいんです。
全然物知りじゃなくていいんです。
いろんな人生経験があって、勉強家だったら、余計なことを言っちゃうから。
そうすると、余計なことは自分の考えであって、相手の考えじゃない。
ここのところはバシッと決めてください。
そうでなきゃ、同じこと何回も繰り返すから。

「そのまま返すんですよ」と言ってるのに、
「こういう考えが出てきたんですけど」ってね。皆さん。
言ったでしょ。自分の考えが邪魔をするって。
もう一回言います。
この鏡を見せたら、この鏡に何か映ってきたら、鏡じゃなくなる。
そのまんま映るんであって、それで初めてそのまんま鏡のように自分が映るんであって。
その鏡が、鏡の考えがあって、何か映像が出てきたら、「違う、違う」ってなるでしょう?
そういうことです。

この佐藤先生と研修生のやり取りでは、
相手の言葉、その思いの心をそのまま相手に返すという、非常にシンプルな行為でありながら、
その効果は想像をはるかに超えるほど絶大だということがはっきりと見て取れます。

相手の言う事をそのまま返すだけで、心を返してあげることで、
相手が、「分かってもらえた」とあなたに心を開くのです。

しかし、相手の鏡になるはずの自分自身が、自分の考えが、
そこに立ちはだかってしまうという落とし穴もあることも示されています。

明日は、心の鏡返しのポイントを見ていきます。