1139.素晴らしい自分を認める

真我日記

佐藤康行の言葉をお伝えします。

私は「真我開発」という看板を掲げてきました。

真我、「真我」を開発するという、当然、真の我がないという人はこの地球上に一人もいません。

ただ、その真の我で生きていない人、「真の我」の反対は「偽我」ですが、今まで真の我で生きてこなければ、その人は偽の我で生きてきたことになりますよね。

そんな中、みなさんは真の我、本当の自分、真我に出逢ったはずです。

それまで偽我で生きていたとしても、その真我、本当の自分が素晴らしい自分だったら、その本当の自分で生きていけたらいいですよね。

どうすればその本当の自分で生きていけるのかというと、まず本当の自分は素晴らしいと、それが自分なんだと認めることが重要なのです。

私は東京駅前で「YSこころのクリニック」もやっています。

ここには精神的な病を抱えた方々が来られますが、その方々は、なかなか「自分のことを認められない」ようなのです。

自分を認められないというより、自分の素晴らしさを認められないということが共通しているようです。

そして、その方々が本当の自分である真我を認め、その素晴らしい自分を認められると、心の病が改善されていくのです。

自分はもう死んだほうがマシだと思い込んで、いつ自殺してもおかしくない心の状態の方でも、自分を認められたら、自分を尊敬できたら(自尊心を満たす)、自分を愛することができたら、心の底から素晴らしい自分を認めることができるようになったら、薬がなくても心の病が自然と改善されていきます。

人間の心は、過去の記憶の積み重ねでもあります。

DNAも過去の記憶だと思ってください。ですから、オギャーと生まれた瞬間から、父、母、おじいちゃん、おばあちゃん、先祖に顔が似ていたり、性格が似ていたりするわけです。「親の因果が子に報むくう」という言葉もあります。

それを仏教では因縁と言います。顔や性格だけではなく、親や先祖の嫌な性格、嫌な運命も記憶として子どもに移っていってしまう(遺伝ですね)……それを子どもに移さないように、せめて親の代で断ち切りたい――親の因果が借金だとしたら、その借金を自分の子や孫に残さず、親の代で清算してできるなら資産を作り残して死んでいきたい――そのように因縁を断ち切りたいというのが、昔から心のテーマの一つでもあったわけです。

また、心には、現世の過去の記憶の積み重ねもあります。

トラウマはすべて過去のことです。

それに伴ったフラッシュバックやパニック障害なども全部過去の記憶が、今、目の前に現れたものでよみがえって、心や体を苦しめる発作のようなものを引き起こしているわけです。

例えば、夫婦でも二十年前の夫の浮気が未だに許せないとか、そういうものをずーっと一生引きずって生きている……それもすべて子どもに影響を与えているのにです。

しかし、それらを普通はどうすることもできません。

お経を唱えても、滝行しても、いくら薬を飲んでも、過去の記憶を払い落としたくても落とせません。

本来、過去の記憶は今とは何も関係がないのに、そんな心をどうしていいのかわからないわけです。

どうしていいのかわからないから、何か良さそうな話し(教え)を聞くと、人はついついそのいい教えを頭に入れようとします。

頭に叩き込んでいくわけです。

ただし、そのいい教えは、教えた人の考えであって自分の中から出てきたものではありません。

ですから、実際はそれぞれの人に役に立たないばかりか、そのいい教えで苦しんでしまうわけです。

いい教えを頭の中に詰め込んだら、その教え通りにできない自分を責めてしまうからです。

なんて私はだめなんだと苦しみ、さらにはいい教えを周りの人に武器として使ってしまいます。

あなたはなってない、と……すると、人間関係もおかしくなっていきます。

そうやって自分も周りもどんどん苦しくなってしまう、そんな人で現代はあふれているんですよ、みなさん。